外壁塗装・屋根塗装工事の詳細について
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外壁塗装・屋根塗装工事の詳細について
塗装工事では、建物の塗装を行う前に、外壁の亀裂処理や欠損補修を行う、下地処理という工程を行います。
ここでは、モルタル壁・コンクリートの建物で行う下地処理をご説明していきます。
建物の外壁には、目地と呼ぶ窪みがございます。目地はある程度一定間隔で設けられている物です。
この目地には、建物に加わる振動などによる力を、その窪みに分散させる為に設けられた部位ですので、目地が割れたりすることは必然的な事と言えます。よって、その目地が割れても水が入らないように保護する必要があり、その為にシーリング材(コーキング)を打ち込んでいきます。
目地にシーリングを打ち込んでいる所です。目地部には全てシーリング材を充填していきます。
一般的には、シーリングはこういうカートリッジに入っている物を使用します。
目地幅に合わせ打っていきます。打ち込み時は、粘り気のある柔らかい素材ですが、乾燥すると弾力のあるゴムのような感じになります。
目地にシーリングを打ち込んでいる所です。目地部には全てシーリング材を充填していきます。
使用するシーリング材は、ノンブリードタイプと言う、後で汚れが浮き出てきにくいタイプの、ウレタンシーリングか、変性シリコンシーリングが一般的です。また、シーリング材にも水性と溶剤があるのですが、当店では、水性シーリングは明らかに痩せるので、目地には必ず溶剤タイプを使用します。
たまに見るのですが、余程予算が出ていない現場なのか知りませんが、目地に一切シーリングすら打っていない現場や、物凄く薄く打っている現場はよく見かけます。目地にシーリングも打たなければ、塗装工事は早いと思いますし、薄ければシーリングの使用も少なくて済むでしょうが、そういうのは当店は邪道だと考えています。
また、モルタルでも塗装して、シーリングを後打ちしている現場も見る事がありますが、その場合は塗装工事後にシーリング屋に綺麗に打ってもらうしかないので、逆に高く付くと言えます。
因みに、近年のモルタルの建物では、スタッコ系の塗り壁材をコテで大味な模様に仕上げるタイプの外壁が多く、そういうタイプの建物には目地がありません。聞く所によると、クラックが入りにくいネット張った上で、仕上げているそうですが、それでも外壁が絶対に割れないという物ではありません。
目地以外にも、シーリングを充填しておいた方がよさそうな部分があれば、充填処理します。
例えば、サッシと壁面に微妙な隙間があるモルタルの建物では、画像のような打ち方をする事もあります。
モルタル壁の場合、基本的には亀裂に対しても、シーリングを埋めて処理します。
シーリングを打ち込んだ後は、シーリングをしっかり押し込んでいきます。
但し、割れが深い場合は、目地幅を少し広げて、より深くシーリングを打てるように処理する事もあります。
当店ではシーリングを打ったらそのままではなく、フィラーのタッチアップを行うようにしています。というのも、シーリングは本当に痩せやすい素材だからです。フィラーをタッチアップするのは、痩せの軽減に繋げる意味合いもありますが、シーリングは打ち込んで塗装するだけでは、そこだけ肌が違うので光ります。それを少しでも軽減させる意味合いもあります。
コンクリートの建物の亀裂に関しましては、下で説明するようなVカット(Uカット)という処理を行うのが効果的です。
Vカットは2~3日くらい掛かる処理なので、亀裂にシーリングを打つだけよりも、費用は上がってしまいます。
Vカット処理とは、割れに対し厚くシーリングを充填していく防水効果が高い処理の為、コンクリートの建物では有効的です。
なぜならコンクリート外壁は、鉄筋コンクリート造ですので内部に鉄筋も含まれているわけです。
コンクリートの亀裂に防水効果の高いVカットをお勧めするのは、割れから水が浸入し鉄筋部分が水分を帯びだすと、鉄筋が錆びて鉄筋膨張を起こすのを防ぐ為です。
鉄が錆で膨張すれば、コンクリートの壁が浮いてきます。よって、そういう事が起こりにくいようにコンクリートの亀裂処理は、よりシビアに考えます。
また、コンクリートの建物には基本的に軒が無い物が多く、背の高い真っすぐな建物が多いので、普通の雨でも壁面にもろに水が伝い易く、頻度も多くなるので、亀裂の処理は重要視すべきだと考えます。
業者によってはモルタル壁のように1.5~2cmあるかないかの壁でもVカットを行う業者もいますが、大抵多くの塗装店はモルタルにはそこまでの処理を行う必要性は無いと考えています。
というのも、モルタル壁の場合、モルタルをひっかける為のラスは鉄ですが鉄筋コンクリートの様に膨張する程の物では無いです。
また、モルタルの建物は基本的に軒があり、せいぜい2階建てあっても3階建てまでの背の低い建物です。
よって、コンクリートの建物より圧倒的に、壁面に水が掛かりにくく、亀裂部から水が浸入する可能性は低いので、お客様から頂く費用を吊り上げてまで行う処理では無いと考えるのが一般的だと思います。
深い割れに沿って、サンダーという電動工具を使いカットしていきます。サンダーでカットすると、かなりの粉塵が出ますのでカットした凹みのほこりをエアブロー等で、飛ばしていきます。
深い割れの場合はこのように掘った先にも割れが見られます。このように深層部まで割れがある場合、表面だけのシーリング処理を行っても防水効果が弱いので、Vカットで割れを広げ、そこにシーリングを充填させれば、再びその部分に割れが起きても、防水効果が高いというのがVカットの目的になります。
カット後は、シーリングプライマーを塗布していきます。
次にシーリング材を充填し、ヘラなどで押し込んでいきます。使用するのは、変性シリコンシーリングまたはウレタンシーリングのノンブリードタイプです。
シーリングを打っただけでは、シーリング材は収縮していくだけで、見栄えも悪いので、モルタルを被せていきます。
盛ったモルタルをぼかしていきます。
ぼかしただけでは処理痕が目立つので、サンダーで壁面を削り段差の軽減を行います。
処理した部分と処理していない壁面との差を分からなくする為に、パターン(模様)合わせを行っていきますが、部分的なパターン合わせなら100%分からなくするのは不可です。どんなに綺麗に処理できても角度によってはその段差が表れてしまうので、こういう処理をして完全に分からなくするには、見切りの良い面まで、厚付けの模様合わせを行うか、左官屋にモルタル補修してもらうのが一番良い方法と考えられます。
壁の欠損があれば、モルタル材で補修なども行います。
基本的に、塗装屋でも軽い段差補修は可能ですが、あまりにも状況がひどい場合や、壁に厚みを持たせるといった事は、左官屋にお願いすることになります。
このような下地すらない場合でも左官補修は可能ですが、ここまでの状態の復旧は塗装屋には不可なので、こういう場合は左官屋にお願いします。
従来型のモルタルでは無く、ブロックモルタルやベースモルタルを使用します。
下地を作り一度目は厚みをつけて、二度目で仕上げていきます。先ほどの穴が開いている壁面でもこのように復旧可能です。こういうのは、塗装屋にはできません。
塗装屋でできるモルタル補修は、段差軽減のモルタル補修であったり、ちょっとした欠損補修になります。
モルタル外壁やコンクリートの建物で、こういう補修程度はよく行います。
Vカットを行った後のモルタル補修部位と補修していない部位の段差軽減の為に行う処理です。補修を行った部位が元々吹付の仕上げになっていたら、吹付で戻してあげた方が、塗装後にその差が分かりにくくなります。
ローラー工法ではマスチックローラー仕上げと言うパターン付け方法がありますが、その工法で段差軽減を図ろうとしても、吹付程の山が付かないので、そういう時はこのような処理を行ったりします。
ビス留めは、モルタル壁が浮いていたりする場合の補修になります。
構造に向かってビスを打ち込んでいく事で、浮きが軽減され、補強となります。
本来は、壁が浮いているのであれば、左官屋に壁をはつり落としてもらい、壁の下地からモルタルを形成し、修繕していくのが一番なのですが、それだと費用も時間も掛かるので、なかなかハードルが高いです。
本当にどうしようもない場合は、壁を、はつらざるを得ませんが、そうでないならビス打ちだけでも全然違ってきます。
モルタル壁が浮いている場合はビス留めで対処できますが、コンクリートの建物では中には鉄筋しかなく、コンクリート自体が構造なのでビス打ちは不可です。
よって、コンクリートの建物では、エポキシという付着力の高い樹脂を打ち込み、それで補強をします。
コンクリートの壁が浮いているのを確かめるには、このような道具で壁をゴロゴロと転がしていくと、明らかに空洞のような音がする部分があり、そういうところを見つけてマーキングします。エポキシ注入には色んなやり方があるので、建物に応じ処理が違います。
コンクリートとモルタル笠木部分を補強させる為に、エポキシを打ち込んでいった例です。
打ち込む部分に穴を開けていきます。そして専用のガンを使って、内部に充填していきます。
エポキシ注入後になります。
コンクリートの建物には、窓廻りにもシーリングが充填されています。よって、そういった部分は、シーリングの打ち増し、又は、打ち替えを行う必要性があります。
青い部分はウレタンシーリングを充填されている箇所です。青いウレタンシーリング部はブリード現象(黒ずみ)こそは起こっていますが、それほど痛みは見られません。この場合は、打ち増し対応か、打ち替えの2択になります。安さを重視するなら、何もしない業者もいると思います。
黄色い部分は変性シリコンシーリングを充填されている箇所です。黄色の変性シリコンシーリング部分は、かなり劣化していますので、打ち替えが必要です。
シーリング撤去後に、養生テープを貼った後の状態。
窓廻りにウレタンシーリングを打ち込んで、それが乾燥しないと、上のように変性シリコンシーリングを打つ部分の養生テープも貼れません。 写真で養生テープを貼っているサッシ下部のシーリングには、変性シリコンシーリングは絶対ですが、窓廻りはウレタンか変性シリコンシーリングのどちらでも問題はありません。但し、いずれもノンブリードタイプを使用。
新築時のままで初めて塗り替えされるコンクリートの建物で、過去にはこのような例がありました。
こういう場合は、剥がすのが困難すぎるので、きっちり剥がすのが難しいです。コンクリートの建物では、シーリングが3面で接着されており、サイディングの建物の2面接着部のシーリング打ち替えとは全く違い、本当に大変です。
シーリング撤去時には、網戸も外さなければいけない場合もあります。
また、網戸が外から外せるタイプなら良いですが、部屋側からネジを緩めて外さないといけないタイプもあるので、こういう所もしっかり把握が必要です。
簡単に外れるものなら良いですが、建物により取り外しが容易ではない場合1日仕事になることもありますので、そういう場合の取り外しは、サッシ屋にお願いした方が安くて、早くて、上手いです。
シーリング打ち替え後です。サッシ廻りのウレタンシーリング部分には、塗料を被せることになります。
剥離剤を使用し旧塗膜を剥がしていく処理です。
下地の密着が悪く、高圧洗浄だけで剥がせない部分があったら、段差ができるので、その為に見切りの良い部分まで剥がしたり、下地が浮いているような場合に行う処理です。
剥離剤は非常に危険なので、防具をつけて使用しなければいけません。
下地処理では、シリコンシーリングの処理も必要です。
名前は似ていますが、塗装工事で変性シリコンシーリングは良くても、シリコンシーリングはダメなのです。何故かと言いますと、シリコンシーリングの上には塗料が付着しないからです。
この程度なら、撤去も容易ですが、今までで一番問題だったのは、下記のような場合です。
こういう現場は結構多く、シーリング撤去費用が発生します。
撤去するか、専用のプライマーを塗ることで密着性を高めるか、別のシーリング材をシリコンシーリングより深く被せるか、という3択の方法しかありませんが、どれも一長一短ありはします。
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