外壁塗装・屋根塗装の豆知識
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外壁塗装・屋根塗装の豆知識
塗膜には柔らかい物や硬い物があります。
塗膜の弾力には、硬質・微弾性・弾性・高弾性という4つのがあり、それは下地調整材(下塗り材)や仕上げ材(トップコート)にそれぞれございます。
硬質 |
名前の通り弾力の無い硬い塗膜です。 主に吹付の場合は、タイル吹き仕上げを行う際に、硬質のタイルベースやフィラーといった下地調整材を使用する事がある。 |
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微弾性 |
微弾力をわずかに感じる事が出来る塗膜で、その代表例が微弾性フィラーです。但し、一般的な微弾性フィラーは、3年もすれば硬質と変わらないくらい硬くなります。 下地調整材に使用する微弾性フィラーという材料が、現在の主流となっています。値段も手頃です。 微弾性下地調整材も一般的な物を業者はお勧めするのが普通ですが、こだわれば、エポキシを含む上位の微弾性フィラーなども存在し、それらの場合は3年以上経過しても微弾力を感じる物もあり、値段も弾性タイプ以上の物もあります。 |
弾性 |
弾性は、微弾性よりも柔らかく、10年くらい経過しても弾力を確認できる。 下地調整材が弾性の場合は、仕上げ材も弾性対応商品になるので、材料の選択肢がある程度限られてきます。 弾性であっても、冬場は塗膜は寒さで硬くなり、弾力をあまり感じない事があるので、微弾性よりは割れにくい程度とお考えください。因みに、一般的な微弾性よりも値段が倍くらいするので、工事金額は上がります。 |
高弾性 |
明らかに柔らかく、弾性のさらに上をいくのが、高弾性塗膜です。 高弾性は、弾性よりもさらに柔らかい塗膜ですが、仕上げ材の選択肢も弾性よりもさらに狭められます。また、高弾性下地調整材は、一般的な微弾性フィラーの3倍くらいの価格ですので、お客様の希望が無い限りは、なかなかお勧めしにくい。 近年は温暖化傾向にあるので、高弾性は膨れの原因に成りかねないので、色んな意味でお勧めはしないです。 |
現在の塗装の主流は、基本的に微弾性(または微弾性対応している塗料)と言えます。
微弾性よりも柔らかい物は、弾性や高弾性があり、柔らかい方が割れに強いとは言えますが、これらも塗膜に厚みがあってこそ初めて意味がある話であって、薄付け施工(ウールローラーで塗るだけ)の、3回塗り仕上げであるなら、いくら弾力性がある塗料を塗っても効果は弱いし、割れが起これば、持つはずはありません。なぜなら、塗料はある程度壁に吸い込んでしまうものですし、薄付け施工では、膜厚が無さすぎるからです。
例えば、夏場に車の中で輪ゴムを日が当たる所に置いていると、すぐに硬化してパリパリに切れてしまうのと同じで、弾力は熱により伸縮を繰り返し、徐々に失われていきます。
それなのに、輪ゴムほどの厚みも無いような薄付け塗り程度では、普通に考えても持つはずがないとお分かり頂けるかと思います。
よって、弾性を謳うなら、下で説明するように、厚付けの施工でこそ初めて意味があるのであり、それでも割れに対応できるのは、せいぜい1mm程度のクラックくらいまでとお考え頂ければと思います。
手塗り施工による複層型の塗り替え例(マスチックローラー仕上げ)です。
手塗り施工で最大限膜厚を付けるのは、このようなマスチックローラー仕上げしかありません。因みに、吹付け施工ですと、玉吹きとか玉押さえ仕上げという施工方法があります。
画像は3層に分かれていますが、左のグレー色の部分が塗り替え前で、右が塗り替え後になります。
このように、下地調整材は下地調整材として材料が存在し、トップコートはトップコートとして材料が存在し、これらを層のように重ねて仕上げていくことを、複層型の仕上げと言います。
逆に単層型という物もございますが、それにつきましては、このページの最後にご説明しています。
余談ですが、下地によっては、一番最初にシーラーという液体状の吸い込み止め材を塗布する必要がある。
下地調整材にも硬質~高弾性の材料があり、トップコートにも微弾性対応~高弾性対応の材料がございます。こういった厚付け施工でも、膜厚は微々たるものです。
上記で説明した厚付け塗りの仕上げを木板の上に行い、それを横から撮影した写真です。
厚付け施工とは言いましても、このくらいの厚みしか、ローラーで塗膜をつけるのは不可なのです。
しかも、膜厚があるのは、ほとんどが下地調整材の微弾性フィラーの部分であり、トップコートのシリコン塗料などは、横から見て膜厚を確認できるようなレベルの話ではありません。
トップコート2回塗りしても、0.03mm程度です。また塗料には、塗装する素材に対し、吸いこみもあるものですから、トップコートのような液体状の塗料は、目視できるほどの厚みにはならない物です。
ものさしを当ててみて、一番塗膜が厚い部分でも、1mm超えくらいでしかありません。
マスチックローラー施工は、ある程度均等に凸凹模様を付けれますが、それでも膜厚が厚い部分と薄い部分が存在します。使用する材料により、厚みが付きやすい物や、つきにくい材料はありますが、それを加味しても一番厚みがある部分で、せいぜい1.5mm行かない膜厚程度です。
また、弾性塗膜も、温度で伸縮を繰り返しますので、冬場は寒さで硬くなってしまう事もあります。
よく塗装をするだけで撥水効果が増す事を、防水したと勘違いされる方がいらっしゃいますが、防水効果はあっても、塗装で防水にはならないというのは、こういった事例を見て頂ければ分かる事かと思います。
モルタル壁の厚みは、1.5cm~2cmくらいあるのに対し、その上に塗る塗膜は厚付け施工でも1~2mm以下でしかない厚みで、塗膜厚よりも明らかに深く入った割れを、塗料が伸びるだけで対応などという話は普通に考えてもおかしな話です。仮に、塗りたて当初は対応できても、年数が経過し、吸い込みを増し、日々劣化していく塗膜が、いつ来るか分からない割れに対応できるという材料があるのなら、全ての業者が目の色を変えて扱いもするでしょうし、そんな材料があったとするなら、すぐに広まります。
余談ですが、上で説明した複層型に対し、単層型という物も存在します。
それは単層弾性塗料という材料で、上の写真の下地調整材と、トップコートが組み合わさった材料(下地調整材にトップコートの色も着色された材料)になります。単層弾性は水性の材料でして、希釈次第で粘り気を調整でき、一応、厚付け塗りも可能で、逆にトップコートのようにべた~っと塗る事も可能な、一石二鳥の材料です。
簡単に言いますと、単層弾性塗料は、粘性の高いトップコートという事になります。
単層弾性塗料は、一時期爆発的に流行したことがある材料で今もございますが、複層型タイプの下地調整材を使用する程、膜厚はつかないし、耐久性も複層型のトップコートよりも落ちるので、基本的には今現在、使用されている塗装店は非常に少ないです。
この材料が出始め当初は、弾性で亀裂が入りにくく、それが一つの塗料で厚付けもできるし、トップコートとしても使えるという事で、非常に流行ったそうですが、単層弾性塗料は下地を選ばなければ、膨れる可能性が高く、特に単層弾性特有の妙な粘り気と、膜厚の無さからか、複層型の物より問題が起きやすく、流行った当初は、膨れている現場が非常に多かった時代があります。
これは下請けが当たり前のバブル頃に流行った時代の影響や、下塗り材の使い方を守らない業者も多かったせいか、クレーム問題は多かったようです。
そんな事もあり、今の単層弾性は、昔の物より少し硬くなっているという話も耳にしたりします。というような単層弾性塗料ですが、当店では、まずお勧めしていません。
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