外壁塗装・屋根塗装工事の詳細について
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外壁塗装・屋根塗装工事の詳細について
モルタル外壁やコンクリート外壁、から塗り替えを行う場合についてご説明していきます。
ALC外壁の場合も下記に当てはまりますが、ALCの場合は元々デザイン性があるタイプの壁の場合、サイディングと同じ塗装方法になる場合もございますので、そちらはサイディングのページをご確認頂ければと思います。
モルタルやコンクリートの建物の場合、色んな塗り替えが考えられます。
例えば、下のような「塗装仕上げ」を再び行う塗り替えと、既存の壁にペンキ(色)を塗るだけの3回塗り、又は4回塗りの仕様を行うか?などと、大きく分ければ、この2パターンに分けられます。
因みに、後者のペンキを塗るだけの仕様であるなら、サイディング外壁を塗り替えるのと同じ塗り替え方法になります。
ウレタンやシリコン、フッ素塗料などは、ペンキの樹脂の話であり、そのようなペンキを塗るだけというのも、塗装の仕事ではありますが、それは近年の下地が整ったサイディング外壁への塗り替えであるなら、それだけで問題はございませんが、モルタル壁・コンクリート壁・ALC・昔のサイディングでは、下記で説明するような、塗装仕上げが行われているのが一般的です。
塗り替えの際には、ペンキのグレードの話だけでなく、既存の下地の状態によっては、再び下記のような塗装仕上げを行う必要性もあります。
因みに、安いだけの価格勝負の業者や、塗装専門店では無い業者の場合、こういった仕上げの話すらせずに、「何のペンキを塗るか?」というだけで話を進める業者も近年では多い話です。
タイル吹き仕上げ
(吹付仕上げ)
タイル吹き押さえ仕上げ
(吹付+ローラー押さえ仕上げ)
マスチックローラー仕上げ
(気泡ローラー仕上げ)
上記の仕上げは、下地調整材を厚付けし、滑らかな素地を作った後に、ペンキで覆う塗装仕上げですので、新築時にこのような仕上げをされていましたら、塗り替え時は、それこそペンキを塗るだけの施工でも基本は問題は無いわけです。ですが、例えば、右の写真のように下地が死に過ぎていたり、痩せすぎたりしているなら、再び塗装仕上げから行う塗り替えの方が、塗装屋的には良い仕上がりであると言えます。
基本的にペンキを塗るだけの薄化粧では膜厚が無いので、亀裂などの処理を行った痕が多ければ多いほど、そこが目立ち仕上がりに影響してきます。
よって、厚付けしても問題無い条件が揃っているなら、再び塗装仕上げを行う方がお勧めだと提案するのが、基本的な塗装屋の考えだと言えます。
リシン・スキン・スタッコという仕上げを骨材系塗装仕上げとまとめていますが、これらは、複層型エナメル塗装仕上げとは全く異なるタイプの塗装仕上げです。
簡単に言いますと、石や軽量骨材的な素材(無機物)と塗料を一緒に混ぜた物を、外壁に吹き付けるといった仕上げです。要は、塗料は糊としての役目をしているだけなので、純粋に塗料の耐久力というだけで耐久力を語れるようなタイプの塗装ではありません。
艶は全く無く、素地がガタガタして、無機質な質感ですので、好みは分かれますが、こちらの方が自然的な塗装仕上げとも言えます。
スキン塗装は銀行などの玄関廻りに施工されている事が多い仕上げです。
リシン吹き仕上げ(薄付けの骨材系仕上げ)
(吹付仕上げ)
スキン(セラミック)吹き仕上げ(石材調仕上げ)
(吹付仕上げ)
スタッコ吹き仕上げ(厚付けの骨材系仕上げ)
(吹付仕上げ)
これが塗り替え前のリシン仕上げの壁面です。
この壁面に水性シリコン(艶有)を塗っただけの仕上げです。この塗装方法も3回塗りです。
という3回塗りです。
写真では分かりにくいかもしれませんが、このように元の下地が粗い仕上げの上に、艶のあるペンキを塗っただけの施工ですと、言ってみれば着色されるだけですので、塗装屋的な考えで言いますと、仕上がりが微妙です。
また、3回塗ったくらいでは膜厚はしれてるので、シーリング材で亀裂を補修した痕などは物凄く目立ちますし、塗料の痩せも早いです。膜厚がほぼ無い分、撥水性も弱く、素地が粗いので、汚れやすいです。ただ、こういった塗り替え方法が、最も安価な塗装方法ではあります。
このような塗り替えで、仕上げ材に超高級な塗料を塗って値段が上がるというような塗り替えをするくらいなら、仕上げ材は平均的な物を使用しても、タイル吹き・タイル押さえ・マスチックローラー仕上げのように、下地から作り変える塗り替えを行う方が、意味がある塗り替えだと思います。または、いっそ塗料を塗るのではなく、リシン吹き・スキン吹きなどを行った方がいいくらいだと当店では考えます。
だけど、もし上のように下地がリシンでも、ペンキを塗るだけで美観を良くしたいのであれば、艶がほぼ無い塗料もしくは、艶が無い塗料を塗れば、それなりに仕上がりはよく見えます。
例外として、お客様によっては、リシンのような質感が好みの方もいらっしゃいます。
そういう方には、目止めがある程度できた上で、艶が無い塗料(ペンキ)を塗るなら、良い感じに仕上がります。
ペンキを塗るだけの仕様の場合、下地をどれだけ目止めができている状態であるかという事が非常に重要で、下地がガタガタしていたら、いくらフィラーで目止めになるとはいえ、塗っただけであればいか程も膜厚が残らないので、目止め効果は弱いわけです。
よって、厚付けの施工をしてあげるくらいすれば、目止め効果が高いので、下地の粗を隠せるという事なのです。
この現場では、目止め効果のある塗料をしつこいくらい塗って、やっとこれくらいですが、これは艶が無いペンキだから、こういう風に綺麗に見えます。艶があるペンキであれば、もっと粗が露わになり、目止めが効いていても見栄えが悪いだろうと思います。
車のボディーと同じで、傷がついたらすぐに分かるのは艶があるからです。艶が無ければ、傷ついても、艶がある時ほどは気にならないのです。さらに車のボディーは滑らかで綺麗だから、艶があっても美観が良いわけです。
という事は、家の外壁のようなツルっともしていない、ましてやガタガタの下地の上に、艶のあるペンキを塗れば、塗料の留まりもバラバラな上に、それによる艶の反射もバラバラだから、綺麗に見えるわけが無いのです。
だから、艶が無い塗料を使用する事は、ある意味ごまかしが効くという事でもあります。
なので、基本的には、リシン塗装などのガタガタした質感の外壁から、ペンキ系の仕上げを望まれるなら、下に説明するようなやり方の施工の方が、艶も引き立ち美観は良くなります。
マスチックローラー仕上げの場合は、このように仕上がります。
因みに、美観的な事を言えば、水性塗料よりも溶剤塗料を塗る方が、超光沢にはなりますが、綺麗なのは間違いないです。
という4回塗りです。下地によりシーラー不要の場合もあります。
タイル吹き押さえ仕上げとは、画像のような下地です。玉が潰れたような感じを押さえと呼びます。
ペンキを塗るだけとはいえ、施工の流れとしては、下塗りにシーラーかフィラーは必要です。
できれば、両方塗った方が良いのですが、どちらか一方でというなら、当店ならフィラーを塗ります。
密着性で言えば、シーラーの方が上ですが、シーラーはそれだけだからです。
また、シーラーを塗るのと、フィラーを塗るのでは、圧倒的にフィラーを塗る方が面倒です。でも下塗りがフィラーから塗れる外壁であるなら、その方が仕上がりはシーラーだけよりは綺麗だと言えます。
塗装工事は、保証を何年と謳う事を重要視するなら、シーラーを塗ってトップコートを塗るだけの3回塗りを行う以上に無難な仕様は無いです。
薄膜の方が塗装店にとってケガは無いからです。
中には塗装工事で15年の保証などと平気で謳う業者もいますが、それこそ下地を見極め、無難なシーラーを塗って、トップコートを塗れば、基本的に問題が起こる事は無いです。
でも、家を建てても10年保証が基本なのに、塗装で15年の保証は、何も異常が発生しない自信があっても、異常な考えだと私は思いますし、どうかしてると思います。
タイル吹き押さえ仕上げの上にマスチックローラー仕上げを行った場合です。
タイル吹き押さえ仕上げは、下地が整っているので、ペンキを塗るだけで仕様としては問題無いのですが、下地が風化しすぎていたので、下地を作り直した例です。
画像ような仕上がり感になります。旧塗膜の押さえ模様の上に、マスチックローラー工法による凹凸模様が乗りますので、モルタル壁の上に、結構な塗膜厚が乗っている事になります。
壁面の肉もちはバッチリなので、仕上がりもバッチリです。
但し、厚付けの仕上げはせいぜい2回~3回くらいが限界であると思います。それ以上は壁が重くなりすぎるからです。あまり厚付けもすぎると、壁の呼吸を妨げる事に繋がるので、適度な判断は必要です。
このように、モルタルやコンクリート、ALCの外壁では、「下地が何か?」という事から始まり、どういう感じを求められるかという話し合いをするのが一般的ですので、それにより、価格帯の差も生まれてくるのが、本来の塗装の仕事のあり方であります。
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